【データ記録のメカニズムとは?DVDについて解説】
気軽に使えるDVDは、映画なら2時間以上を薄いディスクに記録できる、非常に優れたメディアです。その詳しい仕組みはどうなっているか、構造の面からDVDについて解説していきます。
DVDはデジタルデータで記録しています。0と1のデータを記録し、それを読み込んで、変換する仕組みです。DVDは基本的に樹脂でできていて、表面には傷などからデータ層を保護するために、「ダミー層」と呼ばれる、いわばコーティング部分があります。その下に、樹脂のデータ層があります。特殊加工された樹脂は変形する性質があり、ここにレーザー光を照射すると、データ層に変化ができます。この微妙な違いを0と1という信号にして、デジタル記録を書き込んでいくのです。
DVDプレーヤーなどで読み込む際には、レーザー光をディスクに当てます。すると、形状の違いによって反射される光の角度が変わってきますので、その違いを0と1という形で認識し、デジタル信号を読み込みます。そのデジタルデータが音声や映像などに変換されて、映画などの形で再生されるというわけです。
【加工の違いによって生まれるDVDの特性】
さらに詳しい構造を知ってもらうために、DVDについて解説を続けます。DVDにはいくつかの異なる種類があり、それぞれに異なる加工が施されています。
一度だけ書き込みができるDVD-Rは、データ層に有機色素が塗布されています。この有機色素は、光と熱によって変質する特性を持っています。そこで、レーザー光を照射することで色素が分解されて、色が変わるわけです。この色の変化を0と1という形に分けて、デジタル信号としています。有機色素は一度分解されると元に戻らないので、DVD-Rは一度しか書き込めないのです。
繰り返し書き換えができるDVD-RWというディスクは、多少仕組みが違います。こちらは、樹脂にコーティングされた素材そのものが変形するメカニズムを利用しています。氷に熱を加えると水になり、温度が下がると再び氷になるでしょう?同じように、レーザー光の熱で素材を変形させることで、変形していない部分との差を使って、0と1の信号を作るわけです。次に、弱いレーザー光を与えることで、変形していた部分が溶けて平坦になり、元のデータのない状態に戻ります。
DVDコピーでどうしてデータを書き加えたり消去したりできるのか、ここまでのDVDについて解説したことから理解できたのではないでしょうか。